
歯科技工物や矯正装置の作製をする際は、歯科技工士に依頼します。一般的に、外注技工と院内技工の2つに分けられますが、どちらを選ぶべきなのか悩む人も多いのではないでしょうか。この記事では、外注技工と院内技工のどちらがおすすめなのか、双方のメリットを詳しく紹介します。ぜひ参考にしてください。
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外注技工のメリット
まずは、外注技工のメリットについて紹介します。内容によって使い分けられる
技工士によって得意分野が異なり、矯正装置専門やインプラント専門、自費専門など、1つの分野を専門にした技工士もいます。すべての分野を幅広く扱う技工所も存在しますが、個人経営の技工所では得意分野があるのが一般的です。院内に各分野専門の技工士が揃っていれば問題ありませんが、すべてを完璧に対応するのは現実的に難しいでしょう。その点外注技工ならば、内容によって使い分けることが可能です。
コスト削減
院内技工の場合、技工物の依頼の有無に関係なく、技工士に給与を支払う必要があります。その点、外注技工ならば、技工物が必要になったときだけ依頼をするため、発注した分だけ経費が発生します。経費を削減でき、無駄なコストを省けるでしょう。近隣の技工所に依頼すると直接届けてくれるケースもあるため、その場合は郵送費を削減できます。
ネットワークが広がる
院内スタッフだけで業務を行っていると、閉鎖的な環境になってしまいます。外注技工にすることで、外部の情報が入りやすくなりネットワークが広がります。ネットワークが広がると、新しい素材や機材の情報を知れるので、日々の業務の中でも役立つ部分が多いでしょう。さまざまな人脈や環境に触れられることも大きなメリットといえます。
超一流の技工士も選べる
技工物のやり取りは、基本的に郵送で行います。そのため全国にいる技工士を誰でも選べます。専門性に特化した、才能がある技工士にも製作を依頼することが可能です。院内技工の場合、各分野で超一流の技工士を雇うことは現実的ではありません。また、雇うのではなく外注なので、すぐに依頼先を変更することも可能です。もし相性の合わない技工所であっても、すぐに他の技工所に替えられます。さらに、よりよい技工所を見つけたら替えることも可能です。
院内技工のメリット
次に、院内技工のメリットを紹介します。迅速に患者対応ができる
外注技工の場合、連絡してから打ち合わせ、郵送など完成するまで時間を要します。補綴物を入れるまでは、治療を仮の状態で留めておかなくてはいけません。仮の状態が長く続くと、その分多くの健康リスクを伴います。一方で院内技工ならば、仮の状態をできるだけ短くするために、迅速に製作することが可能です。治療期間を短縮できると、患者のストレスを軽減させられるでしょう。
新たな製作だけでなく、入れ歯が壊れたり差し歯が折れてしまったりなど、緊急時に迅速に対応できるのも大きなメリットです。また調整や直しが必要になった場合、外注技工では時間がかかってしまいますが、院内技工ならば迅速に対応できます。
口腔内を直接確認できる
外注技工の場合、写真で口腔内を確認するのが一般的です。そのため密着度に問題があったり、色や形が患者の希望に沿えなかったりするケースも少なくありません。整合性の高い技工物を製作するためには、歯科医師と技工士の念入りな打ち合わせが欠かせません。院内技工では、写真や歯形だけでは分かりにくい歯の形や色などを正確に確認できます。患者ひとりひとりの細かな希望を聞くことも可能なので、ニーズに合った製作が実現します。また、子ども用の矯正器具などは、色を選んだりキャラクターを入れたりなど、柔軟な対応ができるので楽しく治療ができるでしょう。
専属の技工士
外注技工は、多くの取引先や受注先があります。たくさん依頼を受けている場合もあるため、注文するタイミングによってはすぐに対応してもらえない場合があります。一方で院内技工は、技工士が常駐している歯科医院の専属技工士です。抱えている案件の数や進捗状況などを共有しやすく、スムーズに製作に取りかかれます。そのため、患者への提供もスムーズに行えるでしょう。歯科医師と技工士が連携して技工物を作り上げるので、満足のいく技工物の提供が可能になります。
治療費を抑えられる
外注技工は、発注するたびに費用がかかり、多くの場合郵送で届ける必要があるため輸送費が発生します。製作工程が増えれば増えるほどコストが高くなってしまい、患者が支払う治療費も高くなってしまうでしょう。技工物によっては、院内の技工士が製作した方が費用を抑えられる場合があります。院内技工ならば輸送費が発生しないため、その分治療費を削減できます。治療費だけでなく治療時間の短縮にもつながるので、快適な口腔内の状態を早く取り戻せるでしょう。